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【反り腰が原因?】骨がずれる「腰椎すべり症」の仕組みと10年後も歩ける体の作り方

「姿勢を良くしようと胸を張るほど、腰が痛くなる…」
「病院で『すべり症』と言われたけれど、なぜ骨がずれてしまったんだろう?」

50代を迎えた頃から増えてくる、腰の痛みや足のしびれ。
整形外科で「腰椎すべり症(ようついすべりしょう)」と診断され、骨がずれている画像を見てショックを受けた方も少なくないはずです。

実は、すべり症(特に50代以降に多い変形性すべり症)を引き起こす最大の黒幕は、日頃の「反り腰(骨盤の前傾)」にあります。

骨がずれてしまった背景には、長年積み重ねてきた姿勢のクセや、筋肉・筋膜のアンバランスが隠れています。
今回は、反り腰がなぜすべり症を招くのか、その仕組みと日常生活での注意点、未来の歩行を守るための根本対策を解説します。

1、腰椎すべり症とは?主な症状と「歩行」のサイン

腰椎すべり症とは、積み木のように連なっている背骨(腰椎)が、正常な位置から前方(お腹側)へと文字通り「滑り出して」しまう疾患です。

骨が前にずれることで、背骨の中を通る大切な神経が圧迫され、以下のような特徴的な症状が現れます。

間欠性跛行(かんけつせいはこう)

少し歩くと足がしびれたり痛くなったりして歩けなくなり、前かがみになって少し休むとまた歩けるようになる、すべり症の典型的なサインです。
脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)でも同様の症状が現れます。

長時間の同じ姿勢がつらい

立っている時間や座っている時間が長くなるほど、腰が重だるく、ズキズキと痛んできます。

仰向けで寝ると腰が浮く

布団に寝たときに腰の後ろに手のひらがすっぽり入るほど隙間ができ、違和感や痛みがあります。
後ろにすべるすべり症もありますが、ほとんどの場合、反り腰が原因となって前にすべる方が多いです。

2、なぜ骨が滑る?反り腰とすべり症の「深い関係」

① 骨盤の前傾が、腰の骨を「滑り台」にする

本来、人間の骨盤はまっすぐ立った状態(中間位)で背骨を支えています。
しかし、日頃のクセで骨盤が前にだらんと傾く(骨盤前傾)と、その上にある腰の骨は、常に前方へ滑り落ちるような強い力を受け続けることになります。
つまり、反り腰の人の腰の中は、骨が前に落ちやすい「滑り台」のようになっているのです。
この状態が何年も続くことで、骨を支える靭帯や椎間板が耐えきれなくなり、骨が前へとすべりやすくなります。

②お腹の天然コルセット(体幹)の弱体化

お腹の奥で腰の骨を後ろから支えているインナーマッスル(腹横筋など)が弱くなると、骨が前に滑るのを止める「ブレーキ」が効かなくなります。
こうして、骨のズレを支えきれなくなってしまいます。

③骨盤の前傾と床反力の関係

地面にボールを投げるとバウンドして跳ね返ってきます。
それと同じような力が、歩く時に踏み込んだ力が地面を反射して自分の体へ跳ね返ってきます。
この力を床反力と言います。

通常であれば、この床反力は足首や膝、股関節や骨盤などあらゆる関節で吸収されますが、経年や硬化した筋肉や靭帯だと衝撃を吸収しきれなくなってきます。

歩く時に前に進むエネルギーと、床から跳ね返ってきたエネルギーが前傾した反り腰の腰椎でぶつかり、この衝撃を繰り返すうちに反り腰が原因で腰椎すべり症が起こってしまいます。

4、すべり症を改善する運動療法

1〜3の原因が複合的に起こることにより、50代以降ですべり症が増えることになります。

フレキシブル(柔軟性のある)な骨盤であれば、脚を前に出したときに骨盤が若干後傾します。
この後傾位が起こることでお尻の筋肉・大臀筋が床からの衝撃を吸収してくれます。

腰が反って前傾してしまっている方は、骨盤を後傾させる筋肉が使えておらず弱っています。
当院では、必要な場所に適切な力で運動を行うことで体本来のバランスを整えていくための運動療法を行なっています。

3、すべり症を改善させるための運動とストレッチ

すべり症の進行を防ぐために目指すべきは、「前に傾いた骨盤を後ろに戻し、腰の反りを減らすこと」です。

①骨盤を前傾させる原因「大腿直筋」の筋膜ストレッチ

1、壁に手を突いてまっすぐ立ちます。
2、片方の膝を後ろに曲げ、足の甲を同じ側の手で持ちます。
3、かかとをお尻に近づけ、太ももの前側をじわーっと伸ばします。
4、【最重要】 このとき、腰が反ってお腹が前に出ないよう、お腹を少し凹ませる意識を持って20秒キープします。左右同様に行います。

②狭くなった腰椎を広げる「抱え込みストレッチ」

反りすぎて狭くなった腰の後ろ側(腰椎の隙間)を広げ、神経の圧迫を逃がしてあげましょう。

1、仰向けに寝て、両膝を両手で抱え込みます。
2、息をフワーッと吐き出しながら、膝を胸の方へとゆっくり引き寄せます。
3、腰からお尻にかけての筋肉や、体の中で最も大きな筋膜である「胸腰筋膜(きょうようきんまく)」が優しく伸びるのを感じながら、20秒キープします。これを3回繰り返します。

4、重要】反り腰タイプのすべり症で「やってはいけないこと」

「胸を張り、お尻を後ろに突き出す」良い姿勢の意識 

姿勢を良くしようとして無理に胸を張り、お尻を後ろに突き出す立ち方をすると、反り腰をさらに助長します。これは骨をさらに前に押し出す「最も危険な姿勢」です。

腰を後ろに反らせるストレッチやヨガのポーズ

背すじを伸ばそうとして腰を後ろに反らすポーズをとると、ずれている腰椎の隙間をさらに狭めてしまい、神経の圧迫やしびれが激化します

痛みを我慢して根性で歩き続ける

足がしびれているのに無理をしてウォーキングを続けるのは逆効果です。しびれたら一度立ち止まり、少し前かがみになって腰の後ろを広げてあげてください。

5、まとめ:無理な「良い姿勢」を手放して、本当に動ける体へ

病院で「骨がずれているから治らない」と言われると、もう元には戻らないと絶望的な気持ちになってしまうかもしれません。

確かに、一度ずれてしまった骨の形を完全に元通りにすることは難しいですが、
「これ以上すべりを進行させない体」「痛みの出ない骨盤のバランス」を作ることは、今からでも十分に可能です。

「姿勢を良くしなきゃ」と頑張って作った無理な背すじの伸びが、実は骨盤を歪ませ、腰の骨を滑らせる原因になっていたケースは本当にたくさんあります。

骨盤を前に引っ張るガチガチの筋肉(太もも前など)を緩め、眠っているお腹の筋肉を目覚めさせて、骨盤を「正しい位置」に戻してあげること。それが、10年後も20年後も自分の足で元気に歩き続けるための確実な一歩になります。

腰椎すべり症、または脊柱管狭窄症でお悩みの方は、
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