内くるぶしの痛み「後脛骨筋炎」について
後脛骨筋炎(こうけいこつきんえん)は、足首や土踏まずの内側に痛みを引き起こす代表的なトラブルのひとつです。特に「歩くと内くるぶしの下が痛い」「長時間立っていると足がだるい」といった症状がある方は、この症状の可能性があります。
うつ伏せに寝た時に、足の指が内側に大きく内旋して逆ハの字にペタッと足の甲がついてしまうような方は特に注意が必要です。
後脛骨筋炎とは?
後脛骨筋とは、ふくらはぎの奥から足の内側を通り、土踏まずを支えている筋肉です。この筋肉は、歩行時のバランスを保つ役割や、足のアーチを維持する重要な働きをしています。
この後脛骨筋に負担がかかり続けることで炎症が起き、痛みや腫れが出る状態を「後脛骨筋炎」と呼びます。

主な症状
・内くるぶしの下あたりの痛み
・歩行時や運動時の違和感や痛み
・土踏まずの疲れやすさ
・足のアーチの低下(偏平足気味になる)
・進行すると、立っているだけでも痛むことがある
初期は「なんとなく違和感がある程度」ですが、放置すると症状が悪化しやすいのが特徴です。
原因
後脛骨筋炎の主な原因は、以下のような「使いすぎ(オーバーユース)」です。
・長時間の立ち仕事や歩行が多い
・ランニングやスポーツをしている
・足に合わない靴を履いている
・体重増加による負担増
・もともと偏平足気味
これらが重なることで、筋肉に過剰なストレスがかかり炎症が起きますが、
根本的な原因は、後述する腓骨筋との「クロスサポートメカニズム」が破綻していることです。
放置するとどうなる?
後脛骨筋炎を放置すると、足のアーチが崩れ「成人偏平足」へ進行することがあります。
こうなると、
・膝や股関節への負担が増加
・腰痛の原因
・歩行バランスの崩れ
といった、全身への影響にもつながるため、早めの対処が重要になっていきます。
クロスサポートメカニズムとは?
クロスサポートメカニズムとは、足底で長腓骨筋と後脛骨筋が交差(クロス)し、両側から足部を締め付けることで、アーチの維持と足関節(足首)の安定化をもたらす解剖学的な機構のことです。


赤いバツ印のあたりで腓骨筋と後脛骨筋がクロスしています。
足のアーチを形成・保持し、足関節の不安定性を解消する他、足の過度な回内・回外を防ぎ、安定させて歩いたり走った時などの衝撃を吸収してくれる役割があります。
ですが、腓骨筋を使いすぎたり、後脛骨筋を使いすぎたり、双方のバランスが崩れたときに土踏まずの機能が低下して筋肉の過緊張を誘発し痛みや違和感へと変わっていきます。
改善・予防のポイント
①負担を減らす
まずは炎症を悪化させないことが大切です。
長時間の歩行や運動を一時的に控え、痛みのある部位を休ませましょう。
②足の環境を整える
クッション性やサポート力のある靴を選ぶことが重要です。
必要に応じてインソールの活用も有効です。
③ふくらはぎ・足裏のケア
後脛骨筋をストレッチや筋膜リリースで柔軟性を保つことで負担を軽減できます。
④専門的なケア
症状の出ている後脛骨筋を緩めるだけでは一時的な対処にしかすぎません。
症状を再発させない、根本的な症状の解決のためには、クロスサポートメカニズムを正常に働かせるために腓骨筋の運動療法が最適です。
足のトラブルでお悩みでしたら、ぜひ当院へお気軽にご相談ください。